新たな光  あらたなひかり


「はじめまして、と言った方がいいかな?
 君の父親のホムラだ」

「は、はじめまして・・・・
 えっと、・ヤマト・・・です・・・・」


なんとも、例え様ない雰囲気が部屋を包み
両者気まずそうに黙り込んでしまい
部屋の隅では少女が困惑したように隣に立っていた
口ひげを蓄えた中年男性がため息を付き

「そんな風ではこれから一緒に住むのに
 どうするのだ」

威厳を感じられる低い声で告げられた言葉に

「え?
 一緒に住む・・・・・のですか?」

驚き、零れる様に呟かれる言葉に

「あぁ、親子なんだ。
 一緒に住むのは当然だろう」

その方が安心だろう

と、聞える声に

「カガリ・・・・」

救いを求める声と視線に

には初めてのオーブだからな
 叔父上と住んだ方が私も安心なんだ」

「本当の家族なんだ一緒に住むのが当然であろう
 見て学び、感じ学び、疑問に感じれば
 答えを持っている者の近くに居ればより学びやすい」

君には多くのモノを学んで貰い、この国を導いて貰わねばならぬ

強い眼差しと声に、聞いていた者全てが真剣に聞き入るが
言葉の重大さに不安そうに表情を青白くし目を閉じていると

「大丈夫だ、全てを背負い込む事は無い。
 私だっているんだ」

の前に膝と付き見上げる様に視線を上げ
膝の上に置かれていた手を包み込むように握ると
閉じられていた瞼を開け、カガリの顔を見ると
ぎこちない笑いを返すが

「いえ、いきなり一緒に住めと言うのは無理でしょう。
 甘いと言われましょうがトモエには違う部屋を準備します」

とカガリを見
立っている人物をまっすぐ捕らえると
机の上にカードと紙を置き

「トモエ、ココに書かれている部屋を使うと言い。
 勉強に必要な物は全て準備した。
 足りない物があれば直ぐに準備させる」

言い終わる否やすぐさま席を立ち
部屋を出て行った。

そんなホムラの姿に困惑し
カガリに視線を向けると
微笑まれ

「怒っている訳ではないさ。
 ただ、色々あって忙しいだけだ。
 それより、叔父上の準備して下さった部屋へ行こう」

握られていた手を引っ張られ立たされると
部屋を出て行く。

カガリに引っ張られながらも、視界の端に入った
ウズミに頭を軽く下げ部屋を後にすると
絨毯の引かれた廊下を歩くと
すれ違う人達に頭を下げられ、

「カ、カガリ・・・」

繋がれている手を握り、涙声で前を歩く少女の名前を呼ぶが

「大丈夫だ、堂々としていろ。
 あ、途中にモルゲンレーテに寄って行く、
 なんでもに会いたいと言っている人がいるんだ」

まっすぐ向かれた視線はに向けられる事無く
廊下を進み、大きなドアを出ると
青空に、眩しいぐらいの光を降り注ぐ太陽の光
どれも、今まで見てきたモノとは大きく違い
食い入る様に見ていると、いつの間にか車に乗せられ
向かい合うように座り、流れる景色の中
カガリの街の説明がされ、1つ1つ頷き聞き入っていると
厳重に警備された門をくぐり
出入り口近くで車を停止され、開かれるドアを出ると
先に歩いていくカガリの後を追う様に
小走りで付いて行くと、
薄い茶色で大きなウェーブの利いた髪の女性が立っており
2,3カガリと言葉を交わすとの方を向き

「モルゲンレーテ技術主任をしています、エリカ・シモンズです。
 以後お見知りおきを、トモエ様」

手を差し出し、に握手を求めると
戸惑いながらも差し出される手を握り返すと
エリカ・シモンズは微笑み、

「貴方様がお連れになっている青い鳥は
 いったいどなたがお作りになったのでしょうか?」

内ポケットから出された藍色の鳥を差し出し
言葉を付けると
驚いた様に目を見開き、鳥とシモンズの顔を交互に見
ゆっくりと差し出されている鳥を受け取り

「OSは兄が作り、後は私が作りました」

懐かしそうに鳥の微笑み、問われた問いに答える。

そんな、の様子を見ながら
少し考え事をし、自分の中で答えを出すと

「トモエ様、もし宜しければこのモルゲンレーテに
 技術提供をして頂けませんでしょうか?」

「私がですか・・・・」

言われた言葉に弾かれた様に顔を上げ
確かめる様に言葉を返すと
シモンズは頷き

「是非、お願いしたいのですが」

再度、強力求め
更に困惑の色を強くするにも
先程のウズミの『見て学び、感じ学び』の言葉を思い出し、
これからの自分の置かれる立場を思い出し

「私が少しでも役に立てるなら、
 喜んでお受けさせて頂きます」

頭を下げ、答えを出すと

「有り難うございます。
 でも、明日からコチラに来て頂けますか」

時間等、詳しい事は後程ご連絡させて頂きますので

言葉を残すと、
仕事がありますのでこれで失礼します。
と言い達に背を向け何処へ歩いて行く

、本当に良かったのか?」

今まで黙って横に立っていたカガリの声で
シモンズが歩いていった通路から視線を外し
心配するカガリに向き

「なんの役に立てるか解らないけど
 ウスミ様が『見て学び、感じ学びなさい』ておっしゃってたし
 それにオーブの事を少しでも多く勉強し役に立ちたいの」

心配無用と微笑み返すと
苦笑しながらため息を返され

「あんまり無理をするなよ。
 キズだって治りきっていないんだからな」

呆れた様な雰囲気の声で言うと
を歩くように促し
先程乗ってきた車に乗り込み
再び流れる景色を見ながら、
カガリの話を聞いていると
高層の建物の前に車が停車し扉が開き下りる様に促される。

地面に足を付け、前に立っている建物を見ていると
カガリに声をかけられ角膜の紋を取り込み
開かれたガラスばりの自動ドアをくぐり
乗ったエレベータは上へと進み
最上階に着くと、扉を出て直ぐ玄関へと繋がっており
部屋の大きさに驚き、立ち止まっていると

「なにやってるんだよ、今日からココがの家になるんだ
 家主がそんな所でたってるなんてオカシイぞ」

手招きされるものの、きょろきょろと左右を見ながら
部屋へと入っていくと、カガリの後を付いて
扉という扉を全て開け、部屋の確認をした。

「叔父上のおっしゃる通り本当になんでも揃っているんだな
 クローゼットに制服が入っていたから、
 明日からスクールに行く事になるかもな」

一通り見てたカガリの言うとおり、生活用品から
全て揃っており、足りない物は何1つ無かった。

ウズミの言葉、シモンズの態度、部屋の大きさや物に
改めて自分の置かれている状況と立場を思い知り
今だに会えていないキラやヤマト夫妻を思い出すが
会っても以前と同じ態度で接してもらえないのではと
恐怖を感じ俯くが、カガリの入れてくれたココアと
話を聞き、少し心が軽くなると
無理を言い、カガリに泊まって貰う様に頼むと
すんなり受け入れられ、オーブの事について色々話して貰い
その日は同じ布団で休みをとった。






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            第4話

               オーブから始まりまして、自分の立場が解り始めました。
               ここからスタートです。
                                               2003 9 26